お知らせ

インドラダック六地蔵尊像寄贈並びに「世界平和会議2025」参加報告

裾野光明寺は、戦後80年の節目にあたる今年、インド・ラダックで開催された「世界平和会議2025」に参加し、日本から六地蔵尊像を寄贈して開眼法要を厳修いたしました。式典にはチベット仏教・上座部仏教・大乗仏教から多くの方々が参列・読経し、国境や宗派を超えて祈りが捧げられる尊い場となりました。
会議の場では、唯一の被爆国である日本からの参加者として、真の平和を願うメッセージを述べました。また、各国の僧侶やインド国内の代表者からも平和へのスピーチがあり、祈りと決意を共有する意義深い場となりました。
3日間を通じて、インド内外から多くの人々が一堂に会して平和を祈る姿に、未来への希望を見出しました。今後も富士山の麓からラダックのヒマラヤの麓へと御縁をつなぎ、世界平和への祈りを広げてまいります。
末筆ながら、「世界平和会議2025」を主催されたマハーボーディ国際瞑想センター(Mahabodhi International Meditation Centre, MIMC)のサンガセーナ師(Ven. Bhikkhu Sanghasena)、ラダック・シャンティストゥーパ(Shanti Stupa)の中村行明師、日本からご参加くださった方々をはじめ、関係各位に深く感謝申し上げます。
今回の行事は、私が昨年ラダックを初めて訪問し、サンガセーナ師とお会いしたことから始まりました。その御縁に支えられ、この一年を通じてSpawo Foundation のStanzin Gurmet 氏とJin Young Lim 氏が調整にご尽力くださり、さらには三島市の株式会社川崎石材商店様が六地蔵の制作と輸送を担ってくださいました。これらのご協力により、この一大事業を成し遂げることができましたことを、改めて深く御礼申し上げます。
光明寺住職 松岡広也 合掌

8月23日(金) 第1日目
3日間の平和イベントの開幕にあたり、まず光明寺が寄贈した「六地蔵尊像」の開眼法要がマハーボーディ国際瞑想センター(Mahabodhi International Meditation Centre, MIMC)ブッダパークにて行われました。住職が導師を務め、ラダック・シャンティストゥーパ(Shanti Stupa)を建立された中村行明師をはじめ、台湾から参列した大乗仏教の僧侶、さらにチベット仏教・上座部仏教の僧侶方にも読経をいただき、様々な仏教伝統のスタイルで法要が厳修されました。寄贈した六地蔵尊像の御前で国境や宗派を超えて祈りを捧げられたことに深い感銘を受けました。
この六地蔵は、光明寺に祀られている六地蔵を忠実に再現して寄贈したもので、いわば「兄弟」となる存在です。富士山の麓とヒマラヤの麓、それぞれの地で人々を迎え、慈悲を注いでいただくことで、日本とラダックを結ぶ平和の架け橋となることを願っております。
午後にはMIMCサンボーディ・リトリートセンターにてアカデミックセッションⅠが開催され、「広島と長崎の遺産―記憶し、防ぐために」をテーマに代表者がスピーチを行いました。住職も日本代表として現在の日本の状況などについて概要を述べ、戦後80年の節目に平和のメッセージを伝える機会をいただきました。
夕刻にはレー市内にて「Walk for World Peace(世界平和の行進)」が催され、私たちも、各国代表や地元の学生、市民とともに非暴力と平和のメッセージを発信しました。

8月24日(土) 第2日目
午前はティクセ僧院を訪問し、現地での法要に参列いたしました。壮麗な伽藍と厳粛な祈りの場に身を置き、貴重な経験となりました。
その後、スピトゥクにて、ラダック仏教協会(LBA)と全ラダック僧院協会(ALGA)が共催する「ダライ・ラマ法王14世をお迎えする謝恩ランチパーティー」にご招待いただきました。
ダライ・ラマ法王14世のお側に近いお席を賜り、尊容を仰ぎながら、地域の方々が民族衣装をまとい舞を奉納し、法王を歓迎するお食事が振る舞われる場に立ち会うことができました。あいにくの雨模様ではありましたが、現地の皆さまと共にこの貴重な行事に参列できましたことに、心より感謝申し上げます。

8月25日(日) 第3日目
午後には、サブーのNgari Institute of Buddhist Dialectics(チベット仏教方論学院)において、ゲルク派最高位である第105代ガンデン・トリ・リンポチェ、シャルパ・チョジェ・リンポチェ猊下をお迎えし、伝統的な作法で執り行われた厳粛な法要に参列いたしました。このような機会に立ち会えたことは、今回の訪問でいただいた大きな御縁でありました。
続いて、ラダック・シャンティストゥーパにて世界平和会議2025の閉会式が営まれ、「ラダック平和宣言」が採択されました。各宗派の僧侶による平和祈願法要と文化プログラムが行われ、会議の集大成にふさわしい厳粛な場となりました。
閉会式の締めくくりには、日本の音楽家・岡野弘幹氏によるフルートの奉納演奏が披露されました。岡野氏は世界各地で自然や祈りをテーマに演奏活動を続けておられ、深遠な調べがラダック・シャンティストゥーパに響き渡り、参加者の心を静かにひとつに結びました。
この一年の間に御縁をいただいたラダック・シャンティストゥーパの中村行明師に再会し、現地で共に読経できたことは感慨深く、日本とラダックを結ぶ御縁の深さを改めて実感いたしました。