光明寺を知る

光明寺の仏像

毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)

【法量】像高169.0cm
【概要】木造(一木造)、彫眼、現状素地
【制作年代】平安時代後期
髻を結い、銅製の宝冠(後補)を戴き、眉を吊り上げて両目を見開き怒りを表す。口はへの字に閉める。甲を着け、左手に宝塔、右手に戟を持って腰を左に捻り、邪鬼の上に立つ。
頭体幹部を通して髻、両腕の肘までを含んで一材から造る一木造の像である。材はカヤまたはヒノキか。内刳りは施さない。両肘より先、大袖の肘から垂れる部分を矧ぐ。右腕の肘より先(大袖を含む)、左腕の肘より先、左大袖の下半部、両脛半ば以下、戟、宝塔、邪鬼、框座、光背は後補。両肩より前方に垂れる天衣遊離部を欠失する。
頭部が小さく、長身の体とややバランスを欠くが、豪快な木取りが古様である。動きの少ない体勢、痩せた体、面部などの浅い彫りから、平安時代後期の作とみられる。不動明王と毘沙門天を一具で造ることは、平安時代から行なわれた。この二躯を随える中尊には、阿弥陀如来(阿弥陀三尊)、十一面観音などがある。大日堂大日如来坐像とともに市内に残る稀少な平安時代の古仏として貴重である。

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