光明寺を知る

光明寺の仏像

如来坐像(にょらいざぞう)(伝阿弥陀如来)

【法量】像高88.6cm
【概要】木造(寄木造)、玉眼、肉身部漆箔、着衣部漆塗
【制作年代】室町時代
如来坐像は、左手は五指を伸ばして膝上で仰ぎ、右手は肘を前方に曲げ、やはり五指を伸ばして掌を前へ向けて立てており、いわゆる施無畏・与願の印を結ぶ。衲衣、裙を着け、結跏趺坐する。構造は大略大日如来像と同様である。ただし、左体側部では肩から地付きに至る前後二材を矧ぎ付け、前膊部材を載せ矧ぎ、手首先を挿し込む。また、右手は肘、手首で矧ぐ。左眼、像表面を後補とし、頭頂部、左袖口、指先の一部などを亡失する。
この二躯は、頭部をやや大きめに造り、奥行きをかなり深く取る体形、現実的で一種粘りあるような癖をもつ顔立ち、概念的な衣文表現などの作風が共通しており、加えて法量も相近いことから、両像は一具の像とみられる。制作時期は右記作風からみて、室町時代中期頃と考えられる。等身サイズを測る室町時代の本格的作例として、市内では重要な存在である。
伝阿弥陀像は手勢からすれば阿弥陀如来とは思われず、釈迦如来もしくは薬師如来等の可能性もあるが、光明寺はかつて真言宗であったと伝え、大日如来像の存在を重視すれば、もとは五智如来像をなしていたことも考えられ、そのうちの一躯であった可能性もあろう。

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